Story

技術力がNo.1の実績を支えている
PETボトル製造の現場

2019年8月8日 取材

機械の導入から現場のトレーニングまで
お客様に寄り添ったサポートを展開

国内の大手飲料メーカーから委託を受け、PETボトルの成形~充填までの飲料製造を行う信濃高原食品株式会社。
同社はグループ会社の各工場を含めて各種清涼飲料を製造できるラインが7つあるが、PETボトル容器成形を行うブロー成形機に関してはその全てを丸紅テクノシステムが提供している。
丸紅テクノシステムは独・KHS GmbH社製ブロー成形機の日本における総代理店を務めている。新規導入時はもちろん、日々の保守業務及び定期整備、不具合の診断、機械のスペックの変更など、お客様に寄り添ったサポート体制を構築している。
PETボトル製造装置国内シェアNo.1の実績を持つ丸紅テクノシステムの技術力とサポート力を、飲料製造の最前線である信濃高原食品株式会社富士小山工場に取材した。

「技術的なサポート以外に、様々な提案もいただきます。
直近では、いかに高圧エアーの使用量を減らすかといったご提案もいただきました」(信濃高原食品株式会社・湯山様)

KHS GmbHの本社があるドイツでは、原子力発電所の稼動を停止した影響もあって各種エネルギー供給の多くを他国に委ねているので、エネルギーの削減や産業機械の効率化の議論が日本よりもかなり活発です。同社では電気使用量をはじめとした各種ユーティリティーの使用エネルギーを大きく削減できるブロー成形機を開発しており、日本のお客様のニーズも高くなっています」(小林)

包装・容器システム事業部 担当部長 小林

エネルギー問題をはじめ、大手飲料メーカーの環境への取り組み、要求は年々強くなる傾向にある。ブランドオーナーがPETボトルの原料となるプリフォームに植物由来の材料を使うとなれば、信濃高原食品は指定された原料でボトルを作らなければならない。突然、新種プリフォームを使わなければならなくなることもある。
「原料が変わっても、品質は変えられない部分が悩み所です。そうした悩みに対し、丸紅テクノシステムさんは柔軟に対応してくれるのでとても感謝しています」(信濃高原食品株式会社・高橋様)

信濃高原食品株式会社 湯山次長 高橋課長

無駄なコストを極力抑える適正な交換周期の部品を選定し、推奨

ブランドオーナーによるボトルデザインの変更などがあった場合に、新規金型に合わせて機械の微妙な調整を行うことができるのも、丸紅テクノシステムの特長的なサービスだ。例え金型は設計通りに製作されていたとしても成形条件によってはボトル成形に微妙な影響が出てしまうこともある。丸紅テクノシステムの技術スタッフは、ブランドオーナーの求めるスペックを満たすべく、機械確認から条件出しまでフルサポートが可能。
また、1分間に数百本という早さでPETボトルを成形するブロー成形機は、高速回転をするため、消耗品の点検、交換も含め、一般的には1年に1度の定期点検が必須となっている。点検の際には事前に技術スタッフを派遣、適正な交換周期の部品を選定し推奨を行う。

信濃高原食品に納入されたブロー成形機

「機械本体のイニシャルコストが高いので、定期修理などのランニングコストは極力抑えたいと思っています。
多くの部品を高い費用でお客様に推奨するのは、我々としても本意ではありませんので、必要な部品を適宜選んで交換・推奨しております」(小林)

技術の継承。
サポートだけでなく、現場トレーニングも重要なミッション

工場の稼働率は成形後の充填工程で高めなければならない。そのため、成形機は24時間稼働が基本で、止まらないことを要求される。
丸紅テクノシステムが特に評価されているのは、自社に日本人の技術スタッフが在籍し、保守サービスを提供していること。
在籍する技術スタッフの多くがPETボトル製造ラインに関わる職務経験があり、新旧各世代のブロー成形機のアフターフォローができるのは他社にはない強みである。
一方で、信濃高原食品としては、自社内のブロー担当者のレベルを上げていくことも目指しており、年に1度の定期点検の際には、丸紅テクノシステムからの技術スタッフと一緒に、現場のスタッフが整備の方法、機械の仕組みなどを学ぶ。

「お客様としては、稼働率を向上するため機械を動かし続けなければなりません。最大の利益を出すために、いかに整備し、稼働率を高く使ってもらうかを大切にしています。また、素早く要望にレスポンスできるかということも意識しています」(勝間田)

包装・容器システム事業部 課長 勝間田

現場では丸紅テクノシステムの技術スタッフと信濃高原食品の技術者が共に機械整備することで技術を継承していく

「小さなトラブルで毎回電話するわけにもいきません。また、突発的なトラブルの時に電話で状況を的確に伝えるという意味でも、現場のレベルを上げていきたいと考えています。丸紅テクノシステムさんには、様々な機会で現場の教育も一緒にやっていただければと思っています」(信濃高原食品株式会社・湯山様)

丸紅テクノシステムの技術スタッフは定期的にドイツに行き、各種トレーニングを受けている。そうした中で、新しい情報や今後学ぶべきことなどを吸収しお客様へ展開している。
今後は、技術スタッフからお客様への技術の継承、サポートだけでなく、トレーニングもメニューの中に入れていくことを進めている。

ただ機械を納入するだけではなく技術サポートも行うことで製造現場の安定稼働を支え、その経験値と実績を新しい機械の納入に繋げていく。
こうした好循環を生み出すことが丸紅テクノシステムの包装・容器システム事業を成長させている。